Day37. Miyako、今後の展開について(商品編)

「犬に服を着せることは善か悪か」

Miyakoを始めた当初から、私がずっとモヤモヤしていることだ。

防寒とか、日除けとか、機能性のある服なら理解できる。でも、晴れ着はどうなんだろうか。晴れの日のための西陣織ドッグウェアは、「機能」ではなく、「美しさ」のためのものではないか。

それは本当に、犬のためなのか。
それとも、人間のエゴなのか。
子供の七五三に着物を着せるのも、さほど変わらないかもしれないが、、


この事業を始める前の私は、正直に言うと、犬を着飾る人をちょっと冷ややかな目で見ていた。「犬を物みたいに扱っているんじゃないか」と。

でも、事業を始めてからその考えは変わった。今まで出会ったお客様で、嫌がっている犬に無理やり着せている人なんて、ひとりもいなかった。嫌がる素振りがあれば、お客様か私がストップをかける。

「似合うね」「かわいい!」と嬉しそうにするお客様を見て、愛犬たちは嬉しそうに尻尾を振る。その空間は、それはそれは愛情で溢れていた。

もちろん、世の中には本当に着飾ることを目的にする人もいるのだろう。でも幸運なことに、私はそういう人に出会わなかった。愛犬が大好きすぎてたまらないお客様に囲まれて、本当に嬉しかった。


それでも、モヤモヤが完全になくなるわけではない。

西陣織はやっぱり硬い。日常使いできるものではなく、特別な日のための一着だ。
それは、犬にとって必要不可欠なものではない。

一方で、私にはもう一つの想いがある。

京都の伝統工芸を、日常に取り入れていきたい。
後継者不足や市場規模縮小という課題に、少しでも貢献したい。
犬という存在を通して、京都の伝統工芸を未来につなぐことはできないか。

その想いも捨てきれない。だから私は、これからは愛犬との日常に寄り添う小物を中心に展開していくことにした。犬の負担にならず、でも伝統をちゃんと残していけるものだ。1年以上悩んで、やっと決断できた!


ちなみに、服を完全にやめるわけではない。特別な日をお祝いしたい方のために、オーダーはこれからも受け付ける。さっき書いたように、無理に服を着せるお客様はいないからだ。でも、もう服をメイン商品にはしないし、押さない。

そして海外では「着せる」のではなくリビングとかに「飾る」需要もあるのではないかと思っている。犬と共に暮らす空間の中で、西陣織を楽しむ。それもまた、一つの形だ。飾ってくれたら嬉しいな〜

事業を始めた当初は本当に必死で、自分の信念を貫き通すことができなかった。というか、自分の信念を形にする方法、信念とビジネスを両立させる方法を知らなかったのだ。でも、信念のないところに本当のビジネスは存在しない。

本当にたくさんの人に相談して、いろいろなアドバイスをもらって、悩みに悩んできた。そして私は、モヤモヤを無視せずに進むことにした。これは、私の中ではけっこう大きな一歩だと思っている。