12歳の頃、将来は起業すると父に言ったら、父はずっとこう言っていた。
「とりあえず企業に入って、3年くらい働いてから起業した方がいいで」。
私も、てっきりそのつもりでいた。大学に入って、就職して、数年たったら起業する。それがどう考えても賢いルートだ。
企業に入るというのは素晴らしい。組織として確立された場所で働くので、完成形に近い組織構造やビジネスモデルを見ることができる。データも、ノウハウも、人も、資金もある。お金をもらいながら勉強できて、経験まで積める。同期や上司、既存の取引先がいて、人脈も広がる。もし大手に行けば、その会社の名前を経歴に掲げることができて、信頼や評価を得やすい。最高なことづくしだ。
まともな人なら、早稲田を卒業したらそのまま就職するだろう。
でも私は、まともになれなかった。
ここ数年で、病気や寿命、事故でたくさんの家族を失った。そして思った。人間はいつ死ぬかわからない。そんな中で、やりたいことがあるのに、「とりあえず就職」してる場合じゃない!
もし私が就職して、起業する前に死んでしまったら、後悔しか残らないと思う。「なんでやりたいことがあったのに、それを我慢して就職してしまったんやろう」と。
もちろん、起業したいと思っていても、やりたいことがなかったら、とりあえず就職した方がいいと思う。でも私は、「犬を支える」というブレないミッションを持っている。
ほんならいつやるの。今でしょ。←
起業してからも、「とりあえず就職したら」と数えきれないくらい言われ続けている。言われること自体はとても嬉しいことだ。私のことを気にかけてくれてて、ポテンシャルも感じてくれている。(「自分やったらどこでも行けるやん」というありがたいお言葉をいただくことがある)
でも、もうそれを考えるフェーズは終わってるんです…
就職と何回も比較した結果、どんなに険しい道でも、今自分がしたいことを全力ですると決めたんです。
とはいえ、自分で事業をしていると、見えるまでに時間がかかる世界がある。組織構造や、企業が長年保有するノウハウ、何百億円規模のビジネスの動かし方などだ。だから、自分で勉強する必要がある。
たまに「やっぱり就職した方がいいのかな〜」と思うこともある。でも、私は今選んだ道を後悔したことはないし、これからもないと思う。